炉火園について
遠い山の土から、朝のカップへ。

園のいとなみは、一粒の豆を見つめるところから。
火を灯すのは、そのあとです。
まだ何も足されていない、
ありのままの素材を。
最初から強い香りを放つものではなく、
湯を注いだときに、静かに開くものを。
味わいは、人が創り出すものではありません。
豆が本来持つ香りが、自然に目を覚ますのを待つだけです。
窯の温度の、ゆるやかな曲線。
焙煎機の中で過ぎる時間。
そして、火を止めるただひとつの点。
その見極めは、日本の提携焙煎所の
焙煎士の手に委ねています。
炉 — Rokaen
炉の火は、燃え盛る炎ではありません。
豆の芯まで熱が通り、香りが目を覚ます
その静かな温もりです。
四つの手仕事。あなたの朝を、少しだけ静かにするために。
一 受容Resting
届いた豆を、まず休ませます。
海を渡ってきた疲れをとり、日本の空気に馴染ませるために。
二 炎The Flame
別のものに変えるためではありません。
その小さな粒のなかに眠る香りを、外へ引き出すために。
三 静寂Stillness
焙煎のあとは、再び静かな時間を。
落ち着きを取り戻し、香りが丸くなるのを待ちます。
四 封印The Seal
香りが逃げないよう、袋に封じます。
その日の空気も、一緒に。
カップの中の味はそのままに。外側の装いは、季節とともに。
変わらないもの
- 産地 — ラムドン省ダラット。袋に必ず記します。
- ハニープロセスと水洗式。現地の農園での仕事です。
- 焙煎度合い — 豆のロットが変わっても、いつも同じ着地点へ。
- 無添加 — 香料、油、甘味料はいっさい加えません。
変わるもの
- 包む紙、色、封の意匠。
- その季節の空気に合うもの。
- 写真と、言葉の選び方。
装いは年ごとに変わっても、カップの中身は変わりません。
